外壁塗装について
塗り替えの必要性
外壁塗装の塗り替え時期は年数でいうと、新築時に使用されている塗料でも5~6年程度、フッ素樹脂塗料でも長くても15年前後といえますが、日当たりや風通しなど条件により外壁の状態は違うので、状態により塗り替え時期は変化します。
塗り替え時期を放置していると、本来の塗料の役目がなくなり、雨や紫外線から建物を守れなくなります。住まいの構造体の劣化や雨漏りの要因となり、住宅を傷めることなります。
塗り替えは外壁の状態を確認し、出来るだけ早い対処をすることが、費用対効果が望めます。長いこと塗り替えを放置していると、外壁が大きく傷んでいることが多く、補修など費用がかさみ、尚且つ建物が傷んで、耐用年数を減らしてしまい、結果的に費用が多くかかってしまうので、早い対処が有効といえます。
塗り替えの必要な主な状態
外壁部分の塗り替え時期の目安をご説明致します。
以下の様な症状が塗り替え時期の主な目安と言えます。その他の症状についての塗り替えの必要性などについてもお気軽にお問合せ下さい。
● チョーキング現象
チョーキング現象とは、塗装部分を手で触ると粉のようなものが付く現象です。長期間、紫外線にさらされ表装樹脂が分解されて起こったり、雨などにより塗膜中の樹脂が加水分解されて起こります。塗装として機能しておらず、長期間放置すればするほど外壁が傷む原因となる為、
塗り替えの緊急性は高いと言えます。
● ヘアークラック・クラック
ヘアークラックとは、髪の毛のように微細なひび割れ事で幅が0.2mm~0.3mm以下で深さがあまりないのが目安です。クラックとは、ヘアークラック以上のひび割れを言います。クラックは放置しておくと水が浸入し、中が腐食する原因となり補修しないと基礎の強度低下の原因ともなります。
クラックの幅・深さなどを考慮して補修方法を選択する必要があります。
塗り替え時期は高いと言えます。
● カビ・コケの発生
カビ・コケの発生は、日当たりの悪い場所や植栽物の多い場所などの、湿気が発生しやすい場所に発生します。外壁塗装の防水・防カビ性がなくなってしまった場所にも発生しやすくなります。
最近の住宅洋風化の為、屋根のひさしが無いか、幅が小さいものになり、雨が壁面を直撃する為、カビ・コケが発生しやすく外壁はより高い防水性が求められます。
そろそろ塗り替えを考慮する時期と言えます。
● 退色・変色
退色とは、紫外線などにより塗料の組織が破壊され、塗膜の光沢が失われ、壁面の彩度が小さくなる、または明度が大きくなる状態のことを言います。
変色とは、塗膜に含まれる樹脂が劣化し、塗料の色が変化したりする状態のことを言います。
そろそろ塗り替えを考慮する時期と言えます。
● 塗膜の膨れ
塗膜の膨れの原因は、塗膜内側より浸水した場合に起こり壁面以外からの漏水で起こる場合も多く膨れの原因となります。弾性系の塗料は直射日光が当たる壁面は夏場などは高温になり、熱伸縮が起こり膨れの原因になります。
膨れは長期間放置しておくと、剥離の原因にもなりかねません。
塗り替えの緊急性は高いと言えます。
● 塗膜の剥離
塗膜の剥離の原因は、下地と塗膜との間の付着力がなくなり、剥がれてしまうのが主な原因です。外壁の美観を損なうのはもちろんのこと、塗装されていない部分が雨風にさらされ腐食などが起こりやすい大変危険な状態で、建物の基礎強度低下の原因にもなります。
塗り替えの緊急性は高いと言えます。
● エフロレッセンス
エフロレッセンスとは、表面部分に浮き出る白色粉状物が出る現象です。クラックなどから浸水した水分が、モルタル中の石灰分などともに表面に染み出して固まったり、空気中の二酸化炭素と反応して固まったりする現象をいいます。
塗り替えの緊急性は高いと言えます。
● 外壁材の欠損等
外壁材の欠損は、外部からの衝撃により壁面の一部が欠けてしまった状態です。
内部の鉄筋が錆びて腐食膨張して、鉄筋周りのモルタルが押し上げられて一部が破損してしまう状態を爆裂といいます。。
塗り替えの緊急性は高いと言えます。
外壁塗装の施工手順
高圧洗浄作業【高水圧で外壁のコケやカビや不要な塗膜などを洗浄します。】
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下地処理作業【外壁塗装を行う前に、清掃・補修を行います。】
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養生作業【外壁材以外の塗装しない開口部・床面・付帯部分・植栽等の養生を行います。】
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下塗り【外壁の状態により、シーラー・プライマー・フィラー・錆止め等の下塗りを行います。】
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中塗り【中塗りを行います。】
↓⇒付帯塗装【雨どいなどの付帯箇所の塗装を行います。】
上塗り【ウレタン・シリコン・フッ素等の仕上げ塗料の上塗りを行います。】
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養生撤去・清掃【養生を撤去し、各箇所の清掃を行います。細かい補修などがある場合は補修塗装を行います。】
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完成
STEP1高圧洗浄作業
外壁の高圧洗浄作業は、100~150kg/c㎡の圧力で噴射される水により、コケ・カビ・埃などや、劣化した塗膜等を洗浄します。
(※高圧洗浄前に下地補修が必要な場合は洗浄の前に補修を行います。)
STEP2下地処理作業
外壁の下地処理は、ケレンや補修を行います。補修は、クラック等に対して行います、クラックは弾性フィラーで下塗り材を刷り込んだり、弾力性の強いシーリング材を充填します。また、外壁の古くなった塗膜を剥離します、剥離した部分には必要があればモルタル等で補修を行います。
※ケレンとは主に鉄部の汚れや錆を落としたり、塗料の密着を良くするために細かい傷をつけることをいいます。
STEP4下塗り作業
下塗りは下地処理作業をした外壁に最初に塗装する作業で、上塗り材との密着性を高める役割を担います。下塗り材は主にシーラー弾性フィラー等を使用します。シーラは外壁素材に浸透し固める役割と上塗り材との密着性を高める役割で、外壁塗装には下地処理が少なくてすむ劣化の少ない場合に使用されます。弾性フィラーは、浸透はしませんが凹凸を滑らかにする役割と上塗り剤との密着性を高める役割で、クラック処理された下地など凹凸がある場合などに使用されます。
STEP5中塗り作業
中塗り作業は基本上塗りと同じ材料で塗装します、固まると伸縮する塗料が主流で、ゴムのような柔らかさを持った塗膜になります。伸び縮みする為ヒビに追従します。中塗りは下地を紫外線や水や炭酸ガス等有害な環境からから守る役割を担います。中塗りは上塗りと違う色を塗った方がいい場合もあります、上塗り塗り残しミスがわかりやすく、お客様にもわかりやすい利点があります。しかし、上塗りのご希望の色合いによっては、中塗りが透けてしまうことがあるので、そういった場合は、同じ色を塗ることをおすすめ致します。
STEP6上塗り作業
上塗りは最終工程で外壁の仕上げとなります。上塗り材の耐久性は合成樹脂の種類によって異なり、一般的に、アクリル樹脂塗料は5~6年・ウレタン樹脂塗料は6~10年・シリコン樹脂塗料は10年~12年・フッ素樹脂塗料15年~20年といわれています。
合成樹脂塗料は、希釈材により水性系と溶剤系に分類されます。 水性系は柔らかく厚い塗膜を形成しする為、下地に対して柔軟に追従する利点がありますが、汚れが付きやすい欠点があります。
溶剤系は、耐久性に優れ、水性系に比べると汚れが付きにくい利点がありますが、下地の動きに対して追従が柔軟ではないので、ひび割れが入りやすくるのが欠点です。作業における臭気の問題もあり、住宅地などでは、ご近隣のご理解も必要ですので、一般的な住宅には水性系をおすすめ致します。
STEP7養生撤去・清掃
養生を撤去し、外壁塗装の際に生じた塗装のバリや汚れ等を取り、キレイに清掃します。また、細かい補修箇所があれば補修します。
※施工手順は主な基本例です。施工場所や状況やご契約内容などにより多少異なる場合がございます。