塗り替えの必要性
屋根は外壁と比べると、日光や雨・風を直接的に受ける為、とても過酷な環境下にあります。その為、屋根は耐久性に優れた素材が使用されているので、長年放置していても雨漏りなど必ずしも起こるわけではありません。しかし、長年放置していると、塗装が剥がれたり劣化などによりコケや藻やカビ等が発生し、水を吸ったりして屋根や下地の腐食などが起こり、住まいの構造体の劣化や雨漏りの要因となり、住宅を傷めることなります。
屋根にはカラーベスト・コロニアル・モニエル瓦等が使用されていて、塗装で仕上げがされているものが多く、定期的な塗り替えが必要です。定期的な塗り替えは、屋根の劣化を防ぎ、雨漏りや下地の腐食などを未然に防げる為、結果的に建物の劣化を防ぐことにも繋がります。出来るだけ早い対処をすることが、費用対効果が望めます。外壁の塗り替えの時足場を立てる際は、外壁と同時に塗り替えをおすすめします。
屋根塗装の施工手順
高圧洗浄作業【高水圧で外壁のコケやカビや不要な塗膜などを洗浄します。】
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下地処理作業【屋根塗装を行う前に、清掃・補修を行います。】
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養生作業【屋根材以外の塗装しない開口部・床面・付帯部分・植栽等の養生を行います。】
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下塗り【屋根の状態により、シーラー・プライマー・錆止め等の下塗りを行います。】
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中塗り【中塗りを行います。】
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上塗り【ウレタン・シリコン・フッ素等の仕上げ塗料の上塗りを行います。】
↓⇒付帯塗装【雨どいなどの付帯箇所の塗装を行います。※付帯塗装がある場合のみ】
縁切り作業【屋根材の貼り重ね部分に隙間を作る作業を行います。※縁切りが必要な場合のみ】
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養生撤去・清掃【養生を撤去し、各箇所の清掃を行います。細かい補修などがある場合は補修塗装を行います。】
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完成
STEP1高圧洗浄作業
屋根の高圧洗浄作業は、100~150kg/c㎡の圧力で噴射される水により、コケ・カビ・埃などや、劣化した塗膜等を洗浄します。
(※高圧洗浄前に下地補修が必要な場合は洗浄の前に補修を行います。)
STEP2下地処理作業
屋根の下地処理は、ケレンや補修を行います。トタンなどの鉄部は高圧洗浄だけでは 不十分な場合があるので、下塗り材の錆止め塗料の密着性を強くする為、ケレンを行 います。補修は、クラック等に対して行います。
※ケレンとは主に鉄部の汚れや錆を落としたり、塗料の密着を良くするために細かい傷をつけることをいいます。
※屋根の状態によっては、破損が激しいカラーベスト等は差し替えを行います。
STEP3養生作業
屋根材以外の塗装しない開口部・床面・付帯部分・植栽等の養生を行います。
STEP4下塗り作業
下塗りは下地処理作業をした屋根に最初に塗装する作業で、上塗り材との密着性を高める役割を担います。下塗り材は主にシーラー・プライマーを使用します。鉄部には錆止め塗ります。
シーラ・プライマーは屋根素材に浸透し固める役割と上塗り材との密着性を高める役割があります。カラーベスト・コロニアル屋根等の縁部分には、状況によってタスペーサーを挿入します。
STEP5中塗り作業
中塗り・上塗りで屋根の仕上げとなります。上塗り材は外壁用塗料と同様で、耐久性は合成 樹脂の種類によって異なり、一般的に、アクリル樹脂塗料は5~6年・ウレタン樹脂塗料は6~10年・シリコン樹脂塗料は10年~12年・フッ素樹脂塗料15年~20年といわれています。合成樹脂塗料は、希釈材により水性系と溶剤系に分類されます。
STEP7縁切り作業
慎重丁寧に塗装を行っても、屋根材の貼り重ね部分の隙間に塗膜がくっついてしまいます。この状態は、隙間にゴミが入っている状態と同じで「毛細管現象」が起こり、水漏れや下地合板の腐食の原因になります。こういったことが起こらないよう、貼り重ね部分に隙間を空ける作業「縁切り」を行います。
タスペーサーを入れた場合は、この縁切り作業と同じ効果が望める為、縁切りは行いません。縁切り作業を行うか、縁切り部材を挿入するかは、屋根の状況によって変わります。
STEP8養生撤去・清掃
養生を撤去し、外壁塗装の際に生じた塗装のバリや汚れ等を取り、キレイに清掃します。また、細かい補修箇所があれば補修します。
※施工手順は主な基本例です。施工場所や状況やご契約内容などにより多少異なる場合がございます。